顕微鏡
ずっと昔にも書いたネタです。思い出したので。
SF作家に野尻抱介さんという方がいます。その昔、同じ会社に勤めていました。当時はまだ、どちらも作家で食べていくとは思ってもおらず、とくに俺はデビューしようとすら考えていない頃でした。
ある日、野尻さんが「顕微鏡を買った」と言ってきたときのこと。
野尻「○○君(俺の本名)、顕微鏡で真っ先に観るのはなんだと思う」
築地「さあ。微生物ですか」
野尻「分かってないな。精子だよ精子」
築地「……誰のを」
野尻「自分のに決まってる。人のを観て楽しいのかね」
築地「いやそれは知りませんが」
野尻「精子を観るときに一番むなしいのはなんだと思う」
築地「さあ」
野尻「プレパラートを拭くときだ。なんかな、今まで観察していた生物が『あ、死んだ』って分かるんだ。あれは大量虐殺だな。むなしいし悲しいぞ」
築地「大変ですね」
野尻「大変だ」
なんでこんなことを思い出したかというと、さっきまで読んでいた本に、妙に顕微鏡が登場していたのです。








